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吸収金額別・市場別のIPO公募割れ率

2024年以降に上場した全IPOを、吸収金額の大きさと市場で分け、公募割れの割合と初値の伸びを比べました(当サイト独自集計)

対象の銘柄

184社

2024年〜2026年に上場・初値が付いた銘柄

全体の公募割れ率

22%

初値が公開価格を下回った40社 / 184社

全体の勝率

76%

上回った139社(同値は含めない)

騰落率の中央値

+25.0%

平均は+33.3%

数字はすべて当サイトの銘柄データ(公開価格・初値・株数・市場)からその場で計算しています。上場が増えるたびに自動で更新され、最新の対象銘柄は2026年10月15日上場分です。

過去の実績であり、将来の初値を保証するものではありません。公募割れ率が低い帯でも公募割れした銘柄はあります。

💬 この集計を一言で

2024年1月1日から2026年10月15日までに上場して初値が付いた184社のうち、公募割れ(初値が公開価格を下回った)は40社(22%)でした。初値が公開価格を上回ったのは139社(76%)、騰落率の中央値は+25.0%です。

吸収金額で分けると、公募割れ率がいちばん低いのは5〜10億円(26社中2社、8%)、いちばん高いのは100億円以上(27社中12社、44%)です。5億円未満(13%)から100億円以上(44%)まで、大きくなるほど公募割れしやすい傾向がはっきり出ています。騰落率の中央値も5億円未満の+14.5%に対し100億円以上は+2.8%で、大型は「上がっても小幅」です。

ただし5億円未満の16社のうち11社は名証・札証・福証などの地方市場の銘柄で、東証グロースの小型銘柄とは買い手の層が違います。最小の帯だけ勝率が伸びないのはこのためで、「小さいほど良い」と単純に読まない方が安全です。

市場別では、公募割れ率がいちばん低いのはグロース(124社、16%)、いちばん高いのはスタンダード(37社、35%)でした。市場の差には案件の大きさの差が重なっているので、下の「市場×吸収金額」の表で同じ帯どうしを比べてください。

📦 吸収金額の帯別

吸収金額=公開価格×(公募+売出+オーバーアロットメント)株数。株数データのある184社 / 184社で集計。公募割れ率=初値が公開価格を下回った割合

件数公募割れ率勝率騰落率の平均中央値100株の平均損益
5億円未満16社13%(2社)75%+54.0%+14.5%+59,750円
5〜10億円26社8%(2社)92%+66.7%+50.0%+83,862円
10〜30億円68社16%(11社)81%+36.0%+36.4%+44,574円
30〜100億円47社28%(13社)70%+14.2%+7.1%+24,717円
100億円以上27社44%(12社)56%+15.1%+2.8%+18,185円

🏛️ 市場別

名証・札証・福証は「地方市場」にまとめています

件数公募割れ率勝率騰落率の平均中央値100株の平均損益
グロース124社16%(20社)81%+39.8%+30.3%+51,645円
スタンダード37社35%(13社)62%+20.9%+10.7%+27,086円
プライム10社30%(3社)70%+25.0%+14.2%+30,970円
地方市場13社31%(4社)62%+12.7%+7.5%+8,015円

🔀 市場 × 吸収金額の公募割れ率

公募割れ率(公募割れ社数/件数)。件数が少ないマスは1銘柄で大きく動きます

市場 \ 吸収金額5億円未満5〜10億円10〜30億円30〜100億円100億円以上
グロース0% (0/5)0% (0/23)11% (5/46)22% (8/36)50% (7/14)
スタンダード—0% (0/1)27% (6/22)45% (5/11)67% (2/3)
プライム————30% (3/10)
地方市場18% (2/11)100% (2/2)———

📅 吸収金額の帯 × 年の公募割れ率

年によって傾向が変わるかどうかを確かめられます

吸収金額 \ 年2024年2025年2026年
5億円未満40% (2/5)0% (0/9)0% (0/2)
5〜10億円11% (2/18)0% (0/6)0% (0/2)
10〜30億円9% (3/33)21% (4/19)25% (4/16)
30〜100億円37% (7/19)5% (1/19)56% (5/9)
100億円以上45% (5/11)42% (5/12)50% (2/4)

🧐 なぜ大きさで差が出るのか

初値は上場日の朝に集まった買い注文と売り注文がつり合う値段で決まります。吸収金額が小さいIPOは市場に出る株数が少ないため、当選できなかった人の買い注文が少ない株に集中し、初値が公開価格から大きく離れやすくなります。反対に吸収金額が大きいIPOは株数が多く、買い注文を吸収しきれるため値段が動きにくく、相場が弱いときは売りが勝って公募割れになりやすい構図です。

市場による差は、この「大きさの差」とかなり重なっています。プライム市場に上場する案件はほぼすべてが大型で、スタンダード市場は成熟した中堅企業の中型案件が多く、グロース市場は小型・中型の成長企業が中心です。地方市場(名証・札証・福証)は吸収金額が小さい一方で、売買する人の数も少ないため、小型でも初値が伸びにくいことがあります。市場だけで判断するより、「市場×吸収金額」の同じ帯どうしで比べる方が実態に近づきます。

もうひとつ、吸収金額が大きい案件は公開価格が機関投資家の需要を見て決まるため、個人の人気だけで値段が跳ねにくいという事情もあります。大型案件は「当たりやすいが伸びにくい」、小型案件は「伸びやすいが当たりにくい」という裏表の関係にあり、主幹事証券別の成績(主幹事別ランキング)に出る差も、多くはこの大きさの違いから来ています。

🔰 初心者はこの数字をどう使えばよいか

申し込む前に、その銘柄の吸収金額を各銘柄ページの「株数・需給データ」で確かめ、上の表のどの帯に入るかを見てください。公募割れ率が高い帯の銘柄は、当選しても初値で売ると損をする割合がそれだけ高い、という意味です。逆に公募割れ率が低い帯の銘柄は当選そのものが難しく、申し込んでも多くは落選します。

「当選しやすさ」と「初値の伸び」はたいてい裏表なので、どちらを取るかは公募割れをどこまで受け入れられるかで決まります。損をしたくないなら公募割れ率の低い帯に絞って数を打ち、当選の体験を優先するなら大型案件に申し込みつつ公募割れの可能性を織り込む、という使い分けになります。いずれの場合も、銘柄ごとの需給(売出の比率・ロックアップ・同業の直近の初値)で例外は起きます。当サイトの初値予想は、この帯の統計を出発点に銘柄ごとの材料を加えて出しています。

📐 集計の決まり

  • 対象は2024年1月1日以降に上場し、初値が付いた銘柄です(投資法人・TOKYO PRO Market・公募売出の無いテクニカル上場は掲載していません)。2024年・2025年はその年の全上場銘柄、2026年は進行中で、上場が増えるたびに数字が変わります。
  • 吸収金額は公開価格×(公募株数+売出株数+オーバーアロットメント株数)で、株数データのある銘柄だけを帯に入れています。帯の区切りは年別成績ページと同じです。
  • 公募割れは初値が公開価格を下回った銘柄だけを数え、同値は公募割れにも勝ちにも含めません。勝率は初値が公開価格を上回った割合です。
  • 市場は上場時の市場で分け、名証・札証・福証は「地方市場」にまとめています。
  • 数字はすべてサイトを生成するときにデータから計算しており、手で転記した数値はありません。

関連:年別のIPO成績・主幹事証券別ランキング・IPOデータ分析の一覧