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IPOの通説○×クイズ

「同日上場は不利」「12月は伸びない」…よく言われる通説は本当なのか。2024年以降の全IPOのデータで ○・△・× を判定しました(当サイト独自集計)

問題数

8問

IPOでよく言われる通説

判定に使った銘柄

184社

2024年〜2026年に上場・初値が付いた銘柄

判定の基準

差5ポイント

公募割れ率と騰落率の中央値で比べる

通説を読んで、当サイトのデータで見ると「○ 通説どおり」「△ 半分だけ当たっている」「× 当たっていない」のどれになるかを考えてから、すぐ下の答えを見てください。答えはすべて銘柄データから自動で判定しており、上場が増えるたびに変わることがあります(最新の対象銘柄は2026年10月15日上場分)。

過去の実績であり、将来の初値を保証するものではありません。

Q1

同じ日にほかのIPOも上場すると、初値は伸びにくい

同じ日に複数のIPOが上場すると、初値で買いたい人のお金が何社にも分かれ、1社あたりの買い注文が減るため不利だと言われます。

答え

× 通説は当たっていない

通説で伸びにくい側

同日上場

同じ日に2社以上が上場

件数
64社
公募割れ率
20%(13社)
勝率
77%
騰落率の中央値
+25.1%

比べる相手

単独上場

その日に上場したのは1社だけ

件数
120社
公募割れ率
23%(27社)
勝率
75%
騰落率の中央値
+25.0%

公募割れ率は「同日上場」が20%(64社中13社)、「単独上場」が23%(120社中27社)で、差は2.2ポイントとほとんどありません。

騰落率の中央値は「同日上場」が+25.1%、「単独上場」が+25.0%で、差は0.1ポイントとほとんどありません。

同じ日に3社以上が上場した24社に絞ると、公募割れ率は21%(5社)、騰落率の中央値は+28.5%でした。

当サイトのデータには、通説ほどの差は出ていません。同日上場というだけで申込を見送るより、吸収金額など銘柄ごとの条件を先に確かめる方が実用的です。

IPOカレンダーで上場日の重なりを見る →

Q2

吸収金額が小さい(小型の)IPOほど、初値は上がりやすい

吸収金額が小さいIPOは市場に出る株が少なく、買いたい人が集中すると初値が大きく上がりやすいと言われます。吸収金額は、公開価格×(公募+売出+オーバーアロットメント)株数です。

答え

○ 通説どおり

通説で伸びにくい側

大型

吸収金額50億円以上

件数
49社
公募割れ率
41%(20社)
勝率
59%
騰落率の中央値
+2.8%

比べる相手

小型

吸収金額10億円未満

件数
42社
公募割れ率
10%(4社)
勝率
86%
騰落率の中央値
+35.5%

公募割れ率は「大型」が41%(49社中20社)、「小型」が10%(42社中4社)で、通説どおり「大型」の方が31.3ポイント高くなっています。

騰落率の中央値は「大型」が+2.8%、「小型」が+35.5%で、通説どおり「大型」の方が32.6ポイント低くなっています。

当サイトのデータでも小型と大型の差ははっきり出ています。ただし小型は配られる株が少なく、当たりにくいことの裏返しでもあります。帯ごとの細かい数字は吸収金額別の分析で確かめられます。

吸収金額別・市場別の公募割れ率 →

Q3

12月の上場ラッシュに上場するIPOは、初値が伸びにくい

IPOは毎年12月に集中し、1週間に何社も上場することがあります。買いたい人のお金が分かれるうえ、年末は売買する人が減るため不利だと言われます。

答え

× 通説は当たっていない

通説で伸びにくい側

12月

12月に上場

件数
32社
公募割れ率
25%(8社)
勝率
72%
騰落率の中央値
+30.8%

比べる相手

ほかの月

1〜11月に上場

件数
152社
公募割れ率
21%(32社)
勝率
76%
騰落率の中央値
+23.7%

公募割れ率は「12月」が25%(32社中8社)、「ほかの月」が21%(152社中32社)で、差は3.9ポイントとほとんどありません。

騰落率の中央値は「12月」が+30.8%、「ほかの月」が+23.7%で、むしろ「12月」の方が7.1ポイント高くなっています。

月別に見ると、公募割れ率がいちばん高かったのは10月(22社中8社、36%)でした(各年の同じ月をまとめ、上場が8社以上の月で比較)。

当サイトのデータには、通説ほどの差は出ていません。上場が集中する月だからといって、それだけで成績が落ちるとは言えない、というのがデータから言えることです。

上場実績(年別ページに月別のグラフ) →

Q4

売出(既存の株主が手放す株)が多いIPOは、初値が伸びにくい

売出は、上場前からの株主(創業者やベンチャーキャピタルなど)が持ち株を売るもので、会社にはお金が入りません。「上場を機に売りたい株主が多い」と受け取られ、人気が落ちやすいと言われます。

答え

○ 通説どおり

通説で伸びにくい側

売出が多い

売出株数が公募+売出の50%以上

件数
113社
公募割れ率
24%(27社)
勝率
74%
騰落率の中央値
+19.3%

比べる相手

売出が少ない

売出株数が公募+売出の50%未満

件数
71社
公募割れ率
18%(13社)
勝率
77%
騰落率の中央値
+30.3%

公募割れ率は「売出が多い」が24%(113社中27社)、「売出が少ない」が18%(71社中13社)で、通説どおり「売出が多い」の方が5.6ポイント高くなっています。

騰落率の中央値は「売出が多い」が+19.3%、「売出が少ない」が+30.3%で、通説どおり「売出が多い」の方が11.0ポイント低くなっています。

当サイトのデータでも、売出が多い銘柄の方が成績が悪くなっています。各銘柄ページの「株数・需給データ」で、公募と売出のどちらが多いかを確かめておくと判断の材料になります。

用語辞典「公募・売出」 →

Q5

大手証券が主幹事のIPOなら、公募割れしにくい

野村・大和・SMBC日興・みずほ・三菱UFJモルガン・スタンレーの大手5社は主幹事の実績が多く、大手が主幹事なら値付けもしっかりしていて安心だと言われます。

答え

× 通説は当たっていない

通説で伸びにくい側

主幹事が大手以外

主幹事に大手5社が入っていない

件数
50社
公募割れ率
24%(12社)
勝率
74%
騰落率の中央値
+27.2%

比べる相手

主幹事が大手

大手5社のどれかが主幹事(共同主幹事を含む)

件数
134社
公募割れ率
21%(28社)
勝率
76%
騰落率の中央値
+24.4%

公募割れ率は「主幹事が大手以外」が24%(50社中12社)、「主幹事が大手」が21%(134社中28社)で、差は3.1ポイントとほとんどありません。

騰落率の中央値は「主幹事が大手以外」が+27.2%、「主幹事が大手」が+24.4%で、差は2.8ポイントとほとんどありません。

当サイトのデータには、通説ほどの差は出ていません。「大手かどうか」でひとまとめにするより、主幹事1社ずつの成績を見る方が手がかりになります。

主幹事証券別のIPO初値成績ランキング →

Q6

IT企業のIPOは人気があり、初値が上がりやすい

IT企業は成長への期待が集まりやすく、初値が上がりやすいと言われます。

答え

○ 通説どおり

通説で伸びにくい側

IT以外

IT・通信以外の業種

件数
115社
公募割れ率
24%(28社)
勝率
73%
騰落率の中央値
+20.3%

比べる相手

IT・通信

IT・通信・ソフトウェア・メディア(当サイトの業種区分)

件数
69社
公募割れ率
17%(12社)
勝率
80%
騰落率の中央値
+28.7%

公募割れ率は「IT以外」が24%(115社中28社)、「IT・通信」が17%(69社中12社)で、通説どおり「IT以外」の方が7.0ポイント高くなっています。

騰落率の中央値は「IT以外」が+20.3%、「IT・通信」が+28.7%で、通説どおり「IT以外」の方が8.4ポイント低くなっています。

当サイトのデータでも、IT・通信の銘柄の方が成績が良くなっています。ただしIT企業にも公募割れした銘柄はあり、業種だけで決めずに銘柄ごとに確かめる必要があります。

上場実績の一覧 →

Q7

名証・札証・福証(地方市場)のIPOは、初値が伸びにくい

地方の取引所は東証に比べて売買する人が少なく、上場しても買い注文が集まりにくいと言われます。

答え

○ 通説どおり

通説で伸びにくい側

地方市場

名証・札証・福証

件数
13社
公募割れ率
31%(4社)
勝率
62%
騰落率の中央値
+7.5%

比べる相手

東証

グロース・スタンダード・プライム

件数
171社
公募割れ率
21%(36社)
勝率
77%
騰落率の中央値
+26.6%

公募割れ率は「地方市場」が31%(13社中4社)、「東証」が21%(171社中36社)で、通説どおり「地方市場」の方が9.7ポイント高くなっています。

騰落率の中央値は「地方市場」が+7.5%、「東証」が+26.6%で、通説どおり「地方市場」の方が19.1ポイント低くなっています。

当サイトのデータでも地方市場の銘柄の方が成績が悪くなっています。地方市場の銘柄は吸収金額が小さいことが多いものの、小型の強みが出にくい点に注意が必要です。

吸収金額別・市場別の公募割れ率 →

Q8

必要資金が少ない(公開価格が安い)IPOほど、初値が上がりやすい

必要資金が少ないIPOは少ないお金で買えるため、個人の買い注文が集まりやすいと言われます。

答え

△ 半分だけ当たっている

通説で伸びにくい側

必要資金10万円以上

公開価格×100株が10万円以上

件数
121社
公募割れ率
26%(31社)
勝率
73%
騰落率の中央値
+23.6%

比べる相手

必要資金10万円未満

公開価格×100株が10万円未満

件数
63社
公募割れ率
14%(9社)
勝率
81%
騰落率の中央値
+27.8%

公募割れ率は「必要資金10万円以上」が26%(121社中31社)、「必要資金10万円未満」が14%(63社中9社)で、通説どおり「必要資金10万円以上」の方が11.3ポイント高くなっています。

騰落率の中央値は「必要資金10万円以上」が+23.6%、「必要資金10万円未満」が+27.8%で、差は4.2ポイントとほとんどありません。

2つの数字のうち片方だけが通説の向きに差が開いていて、はっきり当たっているとまでは言えません。どちらの数字を重く見るかで評価が分かれる通説です。

IPOはいくらから始められる? →

📋 まとめ: 8つの通説の答え

○が4つ、△が1つ、×が3つでした

  • ×Q1 同じ日にほかのIPOも上場すると、初値は伸びにくい公募割れ率 同日上場 20% / 単独上場 23%
  • ○Q2 吸収金額が小さい(小型の)IPOほど、初値は上がりやすい公募割れ率 大型 41% / 小型 10%
  • ×Q3 12月の上場ラッシュに上場するIPOは、初値が伸びにくい公募割れ率 12月 25% / ほかの月 21%
  • ○Q4 売出(既存の株主が手放す株)が多いIPOは、初値が伸びにくい公募割れ率 売出が多い 24% / 売出が少ない 18%
  • ×Q5 大手証券が主幹事のIPOなら、公募割れしにくい公募割れ率 主幹事が大手以外 24% / 主幹事が大手 21%
  • ○Q6 IT企業のIPOは人気があり、初値が上がりやすい公募割れ率 IT以外 24% / IT・通信 17%
  • ○Q7 名証・札証・福証(地方市場)のIPOは、初値が伸びにくい公募割れ率 地方市場 31% / 東証 21%
  • △Q8 必要資金が少ない(公開価格が安い)IPOほど、初値が上がりやすい公募割れ率 必要資金10万円以上 26% / 必要資金10万円未満 14%

📐 判定の決まり

  • 対象は2024年1月1日以降に上場し、初値が付いた184社です(投資法人・TOKYO PRO Market・公募売出の無いテクニカル上場は掲載していません)。2026年は進行中で、上場が増えるたびに数字と判定が変わります。
  • 通説ごとに銘柄を「通説で伸びにくいとされる側」と「比べる相手」の2つに分け、公募割れ率(初値が公開価格を下回った割合。同値は含めない)と騰落率の中央値を比べます。
  • 2つの数字の差がどちらも通説の向きに5ポイント以上開いていれば○、片方だけなら△、どちらも5ポイント未満か逆向きなら×です。どちらかのグループが8社未満のときは判定しません。
  • 分け方: 同日上場=当サイト掲載のIPOが同じ日に2社以上上場 / 小型=吸収金額10億円未満・大型=50億円以上(10〜50億円は比べていません) / 売出が多い=売出株数が公募株数と売出株数の合計の50%以上(オーバーアロットメントは含めない) / 大手=野村證券・大和証券・SMBC日興証券・みずほ証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券のどれかが主幹事 / IT・通信=当サイトの業種区分 / 地方市場=名証・札証・福証 / 必要資金=公開価格×100株
  • 数字と判定はすべてサイトを生成するときにデータから計算しており、手で転記した数値はありません。

関連:吸収金額別・市場別の公募割れ率・主幹事証券別ランキング・IPOデータ分析の一覧