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IPOで利益が出る仕組み|~初値売りとは~

📖 まんがでわかるIPO

むずかしい言葉は抜きに、まずは全体像をつかみましょう。

まんがでわかる解説 1まんがでわかる解説 2

初値売りとは

初値売り(はつねうり)とは、IPOで手に入れた株を、上場した日に最初につく値段「初値(はつね)」で売ってしまう方法です。上のまんがのとおり、「安く買って、上場した日に高くなったところで売る」——これがIPOで利益を狙う、いちばん基本的でシンプルなやり方です。初心者はまずこの初値売りから始めるのが王道です。

流れもかんたんです。抽選に当たったら公開価格で株を買い、上場日を待って、初値がついたらそのまま売る。何か月も持ち続ける必要はなく、上場日の午前中で完結することがほとんどです。

IPOでなぜ利益が期待できるのか

IPO(新規上場)では、上場前に決まる「公開価格」で株を買い、上場後に市場で最初につく「初値」で売ることで、その差額が利益になる可能性があります。新規上場する企業は投資家からの注目が集まりやすく、初値が公開価格を上回るケースが多い傾向にあります。だからこそ「IPOは利益を狙いやすい」と言われます。

数字で見る初値売り(2025年の65社)

「上回るケースが多い」と言われても、どのくらい多いのかが分からないと判断できません。そこで、2025年に上場した65社(投資法人を除く)の実績をそのまま並べます。数字はすべて公開価格と初値から計算したもので、2025年のIPO成績のページで銘柄ごとに確かめられます。

  • 初値が公開価格を上回った銘柄は65社中53社(82%)。下回ったのは10社で、残りの2社は公開価格と同じ値段で取引が始まりました
  • 騰落率(公開価格に対する初値の上がり幅)は平均+39.2%、中央値+27.5%。平均より中央値が低いのは、一部の銘柄が極端に大きく上がって平均を押し上げているためです
  • 100株を初値で売った場合の損益は平均で約+4.9万円、中央値で約+3.3万円。公募割れした銘柄の損失も含めた数字です
  • 公開価格の1.5倍を超えた銘柄は15社、2倍を超えた銘柄は7社。いちばん上がった銘柄は公開価格の4.4倍で、100株で約40万円の利益になりました
  • 公募割れした10社の騰落率は平均−7.4%、いちばん深いもので−13.6%。100株あたりの損失は1万円前後が中心でした

2024年も見ておくと、86社中64社(74%)が上回り、騰落率は平均+30.9%、中央値+26.6%でした。年によって勝率は上下しますが、「上がるときは大きく、下がるときは小さい」という形は2年とも同じです。

上がるときは大きく、下がるときは小さいのはなぜか

この非対称な形には理由があります。公開価格は、企業と主幹事証券が「確実に売り切れる値段」として決めます。人気が集まった銘柄でも、公開価格は仮条件の範囲内でしか決まらないので、買いたい人の多さがそのまま値段に反映されません。その分が、上場日に初値へ一気に乗ります。

一方で、人気が薄い銘柄は、そもそも仮条件が控えめに設定され、公開価格も安めに決まります。上場日に売りが先行しても、公開価格から大きく下に離れることは少なく、実際に2025年の公募割れは−7%前後に集中しました。

つまり初値売りは、勝ったときの利益が大きく、負けたときの損失が比較的小さい勝負です。これが「とりあえず申し込む」価値がある理由で、同時に「公募割れもふつうに起きる」ことを忘れてはいけない理由でもあります。

公開価格と初値の関係

公開価格は、企業と証券会社があらかじめ決める“買える値段”です。一方の初値は、上場後に「買いたい人」と「売りたい人」のバランス(需給)で決まります。人気の高いIPOほど買いたい人が多く、初値が公開価格を大きく上回ることがあります。この差が、初値売りの利益の源になります。

上場日の朝9時に取引が始まりますが、買い注文が売り注文を大きく上回っていると、値段がつくまで時間がかかります。気配値が少しずつ切り上がっていき、買いと売りが釣り合ったところで初値がつきます。人気の銘柄では昼過ぎ、ときには翌日に持ち越すこともあります。

初値売りの3ステップ

  1. 申し込んで当選する:証券会社からIPOに申し込み、抽選に当たると、公開価格で買う権利を得られます。
  2. 公開価格で購入する:当選したら購入手続きをして、株を手に入れます。
  3. 上場日に初値で売る:上場日、最初に値段(初値)がついたら売却します。「寄付(よりつき)で売る」という注文にしておくと、初値でそのまま売れます。

特別なテクニックは必要なく、初心者でも同じ手順で取り組めます。

売り注文の出し方

初値で売るには、上場日の朝、取引が始まる前(8時台)に**成行(なりゆき)の売り注文**を出しておきます。成行は「いくらでもいいから売る」という注文で、初値がついた瞬間にその値段で売れます。前日の夜に予約注文として出せる証券会社もあります。

「○○円以上なら売る」という指値(さしね)注文にすると、初値がその値段に届かなかったとき売れ残ります。初値売りを狙うなら、まずは成行で確実に売るのが基本です。

売ったお金は、売った日から数えて2営業日後に口座に入ります(受渡日)。すぐ次のIPOに回したい場合は、この日数も頭に入れておきましょう。

税金と手数料

利益には約20%(20.315%)の税金がかかります。証券会社で「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでいれば、売った時点で自動的に差し引かれ、確定申告は不要です。

多くの証券会社では、IPOの申込・購入に手数料はかかりません。初値で売るときの売却手数料も、ネット証券ではかからないことがほとんどです。NISA口座でIPOに申し込める証券会社なら、利益に税金がかかりません。扱いは証券会社ごとに違うので、証券会社比較で確認してください。

利益期待度という指標

このサイトでは、各IPOに「利益期待度」を★で表示しています。初値がどのくらい期待できそうかの目安です。あくまで参考ですが、どの銘柄に申し込むかを比べるときのヒントにしてください。上場前の銘柄には初値予想のレンジも載せていて、上場後は当たったか外れたかを成績表でそのまま公開しています。

気をつけたいリスク

初値が公開価格を下回る「公募割れ」が起きることもあります。その場合、初値で売ると損失になります。IPOは元本が保証されるものではなく、必ず利益が出るとは限りません。無理のない範囲・余裕資金で取り組みましょう。

公募割れしやすいと言われるのは、吸収金額(市場から集めるお金の総額)が大きい銘柄や、売出の比率が高い銘柄、相場全体が下げている時期の銘柄です。当選したあとに「やっぱり買わない」と辞退することもできます(購入手続きをしなければ買ったことになりません)。ただし、辞退を繰り返すとペナルティを設けている証券会社もあるので、申し込む前に確かめておきましょう。

今すぐできること

IPO一覧で、利益期待度の高い銘柄をチェックしてみましょう。過去の結果を見たい方は、2025年のIPO成績で勝率・市場別・規模別の数字を確かめられます。

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